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オー・ヘンリー読書会

こんにちは! 一回生の柴田です。
23日は岩波文庫の『オー・ヘンリー傑作選』の読書会でした。

短編小説作家であるオー・ヘンリーは生涯で三百近い短編を遺した作家です。
ヘンリーといえば「賢者の贈り物」や「最後の一葉」が有名です。
私は「緑のドア」や「桃源郷の短期滞在客」なんかも読んだ覚えがありました。
英語の教材にもよく使われていますよね。
共通するのは、細かい人物描写や日常的な風景、"ちょっとした"幸せ、都市や田園の描写・・・・・・。
ヘンリーがいかに鋭い観察眼を持っていたかが察せられます。

それもそのはず。ヘンリーは小説家であるだけでなく、記者であり薬剤師でもあるのです。
廃刊になった新聞の機材を買い取り、自らが編集長となって新聞を刊行したりもしていました。
(赤字で廃刊になりますけどね!)

その上彼は囚人でもあったのです。
新聞の経営に行き詰ったヘンリーは当時働いていた銀行からお金を横流しし、逮捕されます。
三年三か月の間服役し40歳で牢を出た後、作家活動を営みつつも酒に溺れ、
47歳で肝硬変で亡くなります。

ヘンリーが小説家として成熟しはじめたのは服役以後と言われています。
牢に入る直前に愛する妻を亡くし、職も金も失っていました。
極限状態に追い込まれた彼にとって、創作はどんな意味を持っていたのでしょうか。

貧しい人、お金持ち、商売人、少年少女・・・・・・。
街に生きる人々を万遍なく描くヘンリーは一貫して広い層に人気があります。
ほかにも心情を美しい文体と鮮やかなどんでん返しなど魅力がいっぱいです。


彼の小説はフランス、ドイツ、中国など多くの国で翻訳されています。
日本ではヘンリーの没後10年の1920年に「運命の道」が雑誌「新青年」に掲載されたのを始めとして、
現在では絵本や教科書、岩波や新潮など出版社からも紹介されています。
気になったらチェックしてみてくださいね!


私的なオススメは「水車のある教会」「ハーグレイヴズの一人二役」「改心」です。
これを機に読んでみてくださいね。
外国文学は確かに読みにくいし敷居高いですけど、まず読んでみてください。
慣れたらすらすら読めますし、もう虜です。


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